ゆびもじ〜後書きにかえて
「ふ、 く、 し、 き ?」
麻酔から目覚めた時、看護婦さんの姿がみえた。
「意識戻ったよ−」
他の看護婦さんたちに知らせる彼女。
「終わったよ、もう心配ないよ」
今度はぼくに向かってゆっくりと諭すように言ってくれた。
マスクやキャップでまゆげとめしかみえないけど、彼女はぼくに
やさしく微笑みかけてくれてるように感じた。
なんだか目の前の人が増えてきたみたいだ。
「よかったねえ」
「もう大丈夫やで、うまくいったよ−」
「がんばったね」
その中の1人の看護婦さんがゆっくり息をするようにと
ぼくにいった。
管が口の中にはいっていて話せないのは、術前の説明でわかっていた。
看護婦さんの手の平に指文字を書いた。
なんだか涙がでてきた。
何年も自分の中に闇を落とし続けてきたものが・・・・モヤモヤが消えている。
そして、自分が思っていた以上にしっかり書けた4文字のことば。
もっと自分は崩れるって思ってた、でもしっかり出来たじゃないか。
手術を終えた安心感。がんばれた喜び。
たぶんこの先も同じような手術をすることは避けられないと思う。
けれど、この先も同じように・・・いやもっとうまく乗り越えていこう。
入院記目次
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