午後のトイレ


その日昼食も終わりゆっくりしてると急に眠くなった。

うとうとというより半分熟睡状態で、マイベッドの天地を無視して
気持ちよく眠りこけているときそいつは急にオレを襲ってきた。

便通だ。

いかねば。
部屋は幸いトイレのすぐ前。
起きるんだ。
ここでするわけにいくまい。

まだ完全には目覚めてない俺は腹痛のため決して気持ちいいとはいえないまどろみ
の中で、自分に指令を送っていた。

間に合った!後はペ−パ−をっていう時不意に目の前が真っ暗になった。
しまった!!貧血か?!!

ふんばれ!
アタマを下にしろ!
ケツをふけ!

だめであった。ケツだけは気力でふいたものの貧血はナオラヌ。
俺の親指はナ−スコ−ルにむかっていた・・・・・。

即看護婦さんが駆け付けてくれ、個室から何とかはいでて、トイレの床にはいつくばってる
蜘蛛男を車椅子で部屋まで運んでくれた。

脈、血圧、心電図、ベッドで横になって幾分落ち着いてきた蜘蛛男の検査を手早くすすめる
看護婦さん。
やはり1時的な貧血であったようだ。
寝起きに急に起きあがったのが原因だったのだろう。

検査を終えてからも別の看護婦さんたちが部屋の前をとおる度に心配そうに声をかけてくれる。
もと蜘蛛男は「ご心配お掛けしましたああ」と波打つ声で応えるのであった。



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